最初に確認すべきは点数ではなく、つまずいているポイント
英検準2級は高校中級程度の内容を含むため、小学生にとっては少し背伸びをする挑戦になります。だからこそ、まず必要なのは気合いや勉強時間ではなく、今お子さまがどこで立ち止まっているのかを正しく把握することです。
単語力が足りないのか、文法の理解が曖昧なのか、あるいは長文を読み切るスタミナがないのか、英作文の型を知らないのか。つまずいている原因によって、取り組むべき対策は大きく変わります。
私たちPetra Tutors(ペトラチューターズ)では、小学生の準2級対策において、最初から過去問だけをひたすら解くような学習法はあまりお勧めしていません。もちろん過去問は大切ですが、土台がぐらついている状態で何度解いても点数は伸びず、むしろ子ども自身が自分には無理だと自信を失ってしまう原因になりかねないからです。
まずは読む・聞く・書く・話すのどこに穴があるのかを見極め、学習の正しい順番を作ってあげることが合格への近道です。
様子から見当をつける:最初に手をつける場所の早見表
過去問や普段の様子で気づく「症状」から、まず確認したいことと、最初の練習を並べました。当てはまるものが複数ある場合は、いちばん上流にあるもの(語彙・文の読み取り)から手をつけると、後ろの項目も楽になることが多くあります。
| 気づく症状 | 考えられる原因 | 最初の練習 |
|---|---|---|
| 単語帳は覚えたのに、長文の空所補充で間違える | 意味は知っていても、文脈の中で使われる形に慣れていない | 覚えた単語を短い例文で声に出す。間違えた空所は、前後の文ごと読み直す |
| 長文の後半で内容が分からなくなる | 読む速さより、話の流れを追う力が足りない可能性 | 短い段落ごとに「誰が・何を・なぜ」を日本語で言う |
| リスニングの会話は聞き取れるが選べない | 選択肢を読む速さ、または先読みの習慣がない | 音声の前に選択肢を見て、聞く内容を予想する練習 |
| Eメールで質問に答えきれない | 質問の数と中身を数える習慣がない | メールの質問に印を付け、答えを日本語で並べてから英語にする |
| 意見論述で手が止まる | 日本語でも賛成・反対と理由が決まっていない | 日本語で意見と理由を2つ言う → 短い英語にする |
| 面接で黙ってしまう | 答える内容より、すぐ反応するテンポに慣れていない | 2秒以内に一言返す練習。完璧な文は求めない |
小学生が英検準2級でつまずきやすい3つの壁
1.単語の意味は分かるのに、文の中で使えない
準2級対策で最初に見直したいのは、単語の覚え方です。environment(環境)やexperience(経験)といった、3級よりも少し抽象的な語彙を覚えることは必須です。しかし、日本語訳だけを暗記していても、実際の英文の中では意味をうまく取れないお子さまが多く見受けられます。
例えば、important(重要な)という単語を知っていても、It is important to sleep well before a test.(テスト前によく寝ることは大切です)という文になった途端に、文全体の意味が掴めず止まってしまうことがあります。
これは決して努力不足ではありません。単語を単体で知っている状態と、英文の中で意味を理解できる状態には大きな差があるのです。準2級では、この差がはっきりと結果に表れます。
2.長文の途中で集中力が切れてしまう
次にご相談が多いのが、長文問題の途中で集中力が途切れてしまうというケースです。準2級は文章量が一気に増えるため、英語力だけでなく話の流れを追う力そのものが問われます。知らない単語が一つ出ただけで読むのを諦めてしまったり、最初の2文は読めても後半になると何の話だったか分からなくなって迷子になってしまうお子さまもいます。
このような場合、いきなり長文を大量に解かせても効果は薄いでしょう。まずは短い英文を読み、誰が、何を、なぜしたのかを正確に把握する練習から始めるのがおすすめです。
3.ライティング(英作文)で自分の意見が作れない
合否を大きく左右するのがライティングです。準2級の英作文では、質問に対して自分の意見と2つの理由を書く必要があります。2024年度第1回からはこれに加えて、メールへの返信も書くため、意見を作る力と、相手の質問に漏れなく答える力の両方が必要です。

小学生の場合、英語にする以前に日本語でも意見が思いつかないという壁にぶつかることがよくあります。例えば、Do you think children should use smartphones?(子どもはスマートフォンを使うべきだと思いますか)と聞かれても、賛成か反対かを決められずフリーズしてしまうのです。
この段階で英語の文法だけを直そうとしても、なかなか上達しません。まずは日本語で賛成か反対かを決める、理由を2つ考える、それを簡単な英語にするという順番で進める方が、小学生には圧倒的にフィットします。
準2級を目指す前に確認したい3つの基礎力
本格的な対策に入る前に、以下の3つができているかチェックしてみましょう。英検協会の準2級Can-doリストも、日常的な話題について基本的な語句で読み、聞き、話し、書けることを目安にしています。
- 3級までの文法が定着しているか。過去形、比較、不定詞、動名詞、受け身、現在完了など、3級までの文法が曖昧なまま準2級に進むと、長文をなんとなく感覚で読む癖がついてしまいます。特に現在完了や受け身は意味を取り違えやすいので、文章の中で正しく訳せるかを確認してください。
- 短い英文を自力で読めるか。長文が解けるかどうかではなく、短い文を声に出して読んだときに単語ごとに止まりすぎていないか、主語と動詞を見つけられているかが重要です。知らない単語が1つあっても、文全体を投げ出さずに読める姿勢があるかを見てあげてください。
- 英語で短く答えられるか。二次試験(面接)では、流暢な長い英語よりも聞かれたことに反応する力が求められます。What do you like to do after school? と聞かれ、I like to play tennis. Because it is fun. と短く答えられれば第一歩としては十分です。
いまの準2級は、どんな形式か
準2級は、2024年度第1回から問題形式がリニューアルされました。ライティングは、従来の意見論述に加えてEメールの返信問題が出題され、2つの課題になっています。一次試験は、準2級の試験内容ページで、リーディングとライティングを合わせて80分とされています。リニューアルでは、筆記の問題数が37問から29問に減り、一次試験の時間が75分から80分に変わりました。古い問題集や過去問では、この形式と合わないことがあるため、2024年度第1回以降の問題で確認するのが安全です。
| 技能 | 内容(公式ページで確認できる範囲) | 家庭で確認すること |
|---|---|---|
| リーディング | 29問:短文の語句空所補充15、会話文の空所補充5、長文の語句空所補充2、長文の内容一致選択7。ライティングと合わせて80分 | 短い文を声に出して読み、主語と動詞を見つけられるか |
| ライティング | Eメールの返信1問と、意見を述べる英作文1問 | 日本語で意見と理由を言えるか。Eメールの質問に答えられるか |
| リスニング | 30問(会話の応答文選択、会話の内容一致選択、文の内容一致選択が各10)。約25分 | 短い会話の内容を、日本語で説明できるか |
| 面接(二次) | 一次試験の合格後に実施。約6分で、50語程度のパッセージの音読と、イラストや受験者自身についての質問がある | 聞かれたことに、短く答えられるか |
語数の目安や配点などは、問題冊子や公式ページの最新情報で確認してください。この記事では、公式ページで確認できた内容に限って書いています。
正答数と合否は、そのまま対応しない
過去問を解くと、つい「何問取れたら合格か」を知りたくなります。ただ、英検の合否は正答数ではなく、英検CSEスコアで決まります。技能ごとの正答数をもとに算出され、準2級の合格基準スコアは、一次試験が1322、二次試験が406です。
同じ正答数でも回次によってスコアが異なることは、英検協会の説明にも書かれています。そのため、過去問の「32問正解」を、固定の合格ラインと見なすことはできません。技能のバランスも見られるので、どこかの技能が極端に弱いと、他で補いにくくなります。
家庭では、点数の合計より、技能ごとの正答の割合や、間違えた問題の種類の変化を追う方が役に立ちます。1回目と2回目で語彙の正答が増えたか、長文の後半で崩れる回数が減ったか、といった比べ方です。
ここで挙げた合格基準スコアは、この記事の確認時点(2026年10月)で英検協会の公式ページに掲載されていた数値です。受験前に最新の公式情報も確認してください。
家庭でできる!英検準2級の勉強法
家庭学習は、週末に2時間まとめてやるよりも毎日20〜30分を継続する方が、小学生には現実的で単語や音の定着も早くなります。
単語は短い例文とセットで覚える
単語帳をただ眺めるだけでは不十分です。音声を聞く、声に出す、短い例文で使うの3ステップを取り入れましょう。例えばagree(賛成する)を覚えるなら、単語だけでなくI agree with this idea.まで言えるようにする。これがそのままライティングや面接の力に直結します。
長文は全文和訳をゴールにしない
最初から一言一句きれいに訳させようとすると、子どもは英語を読むこと自体が嫌になってしまいます。最初は以下の3点だけを掴めれば十分です。
- この文章は何について書かれているか?
- 誰が何をしたのか?
- 筆者はそれを良いと思っているのか、悪いと思っているのか?
要注意!よくある過去問の失敗例
準2級対策で一番多い失敗が、早い段階から過去問を解かせすぎることです。過去問は本番形式に慣れるためのものですが、それ以上に今の弱点を知るための診断ツールとして使うべきです。
点数が低かったとき、原因は単語を知らなかったのか、文法が取れなかったのか、時間が足りなかったのか、必ず理由があります。点数だけを見せて今回は40点だったねと伝えると、子どもはできなかったという記憶だけを引きずってしまいます。今日は大問1の語彙問題で何問取れたね、長文の1つ目は最後まで集中して読めたねなど、小さなできた部分を確認し、具体的な改善点を見つける使い方を心がけましょう。
間違えた問題は、「単語を知らなかった」「知っていたが文脈で取れなかった」「時間が足りなかった」「うっかり」のどれかに分けて、日付とともにメモしておくと、次の回で何が変わったかが見えます。学習方法を自分で計画し、確認し、振り返る習慣は、教育研究の整理(EEF)でも学習全般に効果が見込まれる取り組みとして紹介されています。
面接対策は早めにスタートを
一次試験に受かってから面接の練習をしようと考える方は多いですが、小学生の場合は早めに始めることを強くお勧めします。なぜなら、英語力だけでなく大人と英語で話す緊張感に慣れる時間が必要だからです。
完璧な文を作ることより、質問を聞く、少し考える、短く答えるというテンポに慣れることが最優先です。Petra Tutors(ペトラチューターズ)でも、英語は読めるのに話すと固まってしまうお子さまには、まず質問に対して2秒以内に一言返すという瞬発力を鍛える練習から始めています。
家庭教師や塾を頼るべきタイミングとは
ご家庭での学習だけで合格できるお子さまももちろんいらっしゃいます。3級までの文法が安定していて、自分で単語学習ができ、間違い直しを嫌がらない子であれば問題ありません。
しかし、以下のようなサインが見られたら、外部サポートを検討するタイミングかもしれません。
- 単語をやっているのに点数が伸びない
- 長文を読むとすぐに疲れてしまう
- 英作文で毎回同じような文しか書けない
- 面接の練習になると黙り込んでしまう
- 親子で勉強すると、つい感情的になって衝突してしまう
特に最後はよくあることです。保護者の方だからこそ心配になり、お子さまも親だからこそ反発してしまうもの。第三者である先生が間に入ることで、客観的にできている部分と直すべき部分を整理でき、スムーズに学習が進むことはよくあります。
あわせて読みたい英検の記事と講師
ライティングで止まる場合は英検ライティングで止まる原因と対策、単語が定着しない場合は英検対策は単語暗記だけで伸びないことがある理由、過去問の点数が低かった場合は英検の過去問で点数が低かったときを読んでください。試験が近いときは一次試験の1週間前の過ごし方と面接の3日間プランが参考になります。各級の違いは2024年度の問題形式と準2級プラスにまとめています。
小学生の英検対策に対応できる講師は、Hannah先生、Haruka先生、Nikko先生のプロフィールで確認できます。準2級の学習は準2級のページ、サポート全体は英検対策のページをご覧ください。
Petra Tutors(ペトラチューターズ)の英検準2級対策
Petra Tutorsでは、英検準2級を目指す小学生に対して、まずは現在地の細かな確認からスタートします。単語数だけでなく、文法の穴、リスニングで聞き取れない原因、意見を作る力などを総合的に判断し、一人ひとりに合わせた学習の順番をご提案します。
自信のある子には早めに過去問や英作文にチャレンジさせますが、慎重なタイプの子には音読や短い英作文で小さな成功体験を積み重ねてから本番形式に進みます。
学校の宿題や習い事、集中力、そして性格。これらすべてを考慮して、お子さまが無理なく続けられる現実的な計画を一緒に作っていきます。
まとめ
英検準2級は小学生にとって簡単な壁ではありませんが、正しい順番で準備を進めれば決して無謀な目標ではありません。どこで止まっているのかを見極めれば、次の一手は必ず見えてきます。点数に焦らず、お子さまのペースに合わせて基礎を固めていきましょう。



