ひと目で比較:MYPとIGCSE
| 項目 | MYP | IGCSE |
|---|---|---|
| 位置づけ | IBのprogramme(学校全体の枠組み) | 主に教科別のqualification |
| 対象年齢 | 11から16歳 | 主に14から16歳 |
| 科目の構成 | 8つの教科グループ。最終の2学年は6グループまで選べる | 学校が複数の科目を選ぶ。科目ごとにsyllabusがある |
| 授業時間の目安 | 各教科グループで年間50時間以上 | 科目のsyllabusと学校の時間割による |
| 評価 | 科目ごとに4つのcriteriaを1から8で評価し、合計から1から7の成績にする | コースの最後の外部試験が中心。科目によってコースワークや口頭、実技がある |
| 成績の表し方 | 1から7 | Cambridgeは主にA*からG(地域によって9から1も可)、Pearsonは9から1 |
| 外部の評価 | 最終年にeAssessmentがある。personal projectは必須 | 外部試験(筆記が中心で、科目によって口頭や実技) |
| 学び方の特徴 | 探究、概念、実社会とのつながり | 科目ごとのsyllabusに沿った学習と試験準備 |
| 次の進路 | DPへ進む学校がある | DP、A-level、学校独自の資格へ進む学校がある |
以下では、それぞれの仕組みと、最も違いの大きい評価を順に見ていきます。
MYPとは
IBのMYPは11から16歳向けで、言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学、芸術、体育と健康、デザインの8つの教科グループがあります。各グループで年間50時間以上の授業を行うことが目安とされ、4学年と5学年では、6つのグループに絞れます。
最終年の生徒は、約25時間かけるpersonal projectを必ず完成させます。個人で進める探究で、外部の確認(moderation)を受けます。MYPの成績を学校外に示したい場合は、最終年のeAssessmentに参加すると、MYP certificateやコースごとの結果を得られます。eAssessmentの多くは学校が任意で選びますが、personal projectは全員に必要です。
IGCSEとは
Cambridge IGCSEは14から16歳向けに設計された資格で、科目は70以上あります。学校が科目の組み合わせを選び、科目ごとに筆記、口頭、コースワーク、実技を組み合わせて評価します。
Pearson Edexcel International GCSEを採用する学校もあります。Pearsonは9から1の成績で、2年間の学習の後に試験を行う方式と、単元ごとに受けるモジュール方式を案内しています。同じIGCSEでもboardによって試験の構成が違うので、学校にboardを確認してください。詳しい違いは、東京のIGCSE校の記事で整理しています。
一番大きな違いは評価
| 観点 | MYP | IGCSE |
|---|---|---|
| 何を見るか | 科目ごとの4つのcriteria。いずれも1から8の8段階で、教員が基準の説明文に照らして判断する | 試験の得点。mark schemeに沿って採点される |
| 成績の決まり方 | criteriaの合計を、IBが示す境界の目安にもとづいて1から7の成績にする | 試験の成績をboardがgradeにする |
| 学期中の評価 | 課題やプロジェクトで継続的に見る | 学期中は学校の評価。最終のgradeは外部試験で決まる科目が多い |
| 必要な練習 | rubricを読み、基準を満たす表現を書く | past paperとmark schemeで、試験の形式に合わせて答える |
MYPからIGCSEへ転校すると、同じ英語や数学でも、評価の方法が変わります。たとえば、MYPで高い成績を取っていたお子さまが、IGCSEの試験で時間配分や記述の型に戸惑うことがあります。反対に、IGCSEからMYPに入ると、基準を読んで自分の作品を見直す習慣が新しい課題になります。
年齢が重なっていても、同じ仕組みではありません。科目の内容だけでなく、評価とコースの構成を見て比べます。
MYPでも、学校によって外部評価の使い方が違う
「MYPは課題中心、IGCSEは試験中心」という整理は、入口としては役に立ちますが、転校の判断には足りません。MYPの評価は、教員が作る課題と、教員による採点が中心です。IBは、教員が選んだ生徒の作品の見本を提出させる確認(moderation)で、採点の水準をそろえてきました。一方で、最終年には、IBが採点する外部評価のMYP eAssessmentがあります。
eAssessmentは、言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学などのオンライン試験(最大2時間)と、芸術、デザイン、体育と健康のePortfolioで構成されます。IBの案内では、どのeAssessmentに生徒を登録するかは、学校が選べるとされています。そのため、同じMYPでも、全員が外部試験を受ける学校と、学校内の評価を中心にする学校があります。personal projectは、電子的にIBへ提出して確認を受けます。
MYP certificateには、決まった条件があります。IBの修了条件のページによると、指定された6つの分野で外部評価を受け、各分野で一定以上の成績を取り、personal projectを完成させ、合計28点以上を得て、学校のコミュニティ活動の期待を満たす必要があります。細かい基準は更新されることがあるため、最新はIBの案内で確認してください。学校がMYP certificateを目指す生徒を想定していない場合、成績は学校内の評価として残ります。
転校するご家庭は、次の5点を学校に聞いてください。①この学校はMYP eAssessmentに参加していますか。②外部評価を受ける科目はどれですか。③お子さまは、MYP certificateを目指す形ですか、学校内の成績だけですか。④personal projectの残りの要件は何ですか。⑤これまでに終えた評価は、どこまで引き継がれますか。
IGCSEも、一つの試験方式ではない
IGCSEにも、試験機関と科目によって大きな違いがあります。Cambridge IGCSEでは、科目ごとに筆記、口頭、コースワーク、実技の組み合わせが決まっています。多くの科目に、CoreとExtendedの2つの水準があります。Cambridgeの説明では、CoreはC〜G、ExtendedはA*〜Eの成績を目標に設計されており、C、D、Eが重なっています。つまりCoreで学ぶと、取れる成績の上限が下がります。どちらで学ぶかは、学校と先生が選びます。
Pearson Edexcel International GCSEは別の機関の資格です。成績は9から1で、英国のGCSEと同じ方式です。従来どおり、2年間学んで最後に試験を受ける方式に加えて、単元ごとに試験を受けるモジュール方式があります。モジュール方式は、2023年9月から英語、経済、歴史などの8科目で始まり、2024年9月から数学や理科にも広がったと案内されていますが、すべての科目にあるわけではありません。英国外のみで選べる方式でもあります。どの方式を使うかは、学校が決めます。
CambridgeとPearsonは、互換性のある同じ資格ではありません。syllabusも、試験の構成も、過去問も違います。学期の途中で転校する場合、同じ科目名でもboardが違えば、準備のやり直しが必要になることがあります。
| 方式 | 何を、いつ評価するか | 転校後に起きやすい問題 | 保護者が聞くこと |
|---|---|---|---|
| MYPの学校内評価 | 教員が作る課題を、学年を通して評価 | 課題の基準(rubric)が学校で少し違う。途中までの評価の引き継ぎ | これまでの評価はどう扱われるか |
| MYP eAssessment | 最終年にオンライン試験とePortfolio | 学校が登録するか。済んでいる準備の違い | 外部評価を受ける科目と、certificateを目指す形か |
| Cambridge IGCSE | 科目で異なる筆記、口頭、コースワーク、実技。CoreまたはExtended | boardとsyllabusの違い。水準の違い。コースワークの進み | syllabus code、Core/Extended、コースワークの時期 |
| Pearson Edexcel International GCSE | 9〜1。linearは最後にまとめて、modularは単元ごとに試験 | linearとmodularの違い。試験の登録の時期 | 学校がどの方式か。済んだ単元の扱い |
MYPかIGCSEかだけでは判断できない
MYPかIGCSEかだけでは、転校のしやすさは判断できません。実際には、学校がどの評価方式・試験board・科目構成を採用しているかまで確認する必要があります。確認する書類と質問は、転校時のカリキュラム確認ポイントで整理しています。
年齢が近く、科目名が同じでも、評価方式とboardが違えば、準備の中身は変わります。
学校によって、実際の構成が違う
「MYP」「IGCSE」という言葉だけでは、学校での実際の学び方は決まりません。東京の例を見ても、学校ごとに構成が違います。各校の詳しい構成は、学校別カリキュラム比較と、東京のIB Continuum Schoolの記事で整理しています。
| 学校 | 構成 | 補足 |
|---|---|---|
| Tokyo International School | MYPをGrades 6〜8、DPをGrades 11〜12と案内 | 公式ページに記載の範囲。Grades 9〜10の構成は学校に確認 |
| Seisen International School | MYPを中学の5年間で提供 | PYP、MYP、DPをそろえた女子校 |
| K. International School Tokyo | Grades 6〜8は独自のLSP、Grades 9〜10はPearson EdexcelのIGCSE | MYPはなく、DPの準備のためにLSPとIGCSEを組み合わせている |
| The British School in Tokyo | Years 10〜11でGCSEとIGCSEを組み合わせる | 科目によってboardが違う |
その後の進路
MYPの後はDPに進む学校が多い一方、DPの入学にMYPの修了が必須かどうかは、学校の入学方針によります。IGCSEの後は、DP、A-level、学校独自の資格に進む学校があります。
進路ごとの違いは、IBDP・AP・A-levelの比較で整理しています。
転校で確認したいこと
ペトラチューターズの実務的な見方
MYP生には、rubricを読んで課題を改善する支援が必要なことがあります。IGCSE生には、syllabus、past paper、mark schemeを使った試験準備が重要になります。
同じ科目のtutorでも、必要な支援の方法は変わります。転校前は、新しい学校で最初に使う教材と評価の形式を見て、差を埋める形で準備します。
まとめ
MYPは11から16歳向けのIB programme、IGCSEは主に14から16歳向けの教科別の資格です。年齢が重なっていても、同じ仕組みではありません。
学校を比較するときは、科目の内容だけでなく、評価の方法、exam board、次のprogrammeへの接続を確認してください。
参考資料
- International Baccalaureate | MYP curriculum
- International Baccalaureate | Grading and awards (MYP)
- International Baccalaureate | MYP passing criteria
- Cambridge International | Cambridge IGCSE
- Cambridge International | Core and Extended in IGCSE
- International Baccalaureate | MYP assessment
- Cambridge International | Cambridge IGCSE grading choice
- Pearson | About International GCSEs
- K. International School Tokyo | Learning at KIST
- Tokyo International School | Diploma Programme







