まず、変えたい理由を分けて考える
講師を替えるかどうかを決める前に、変えたい理由がどこにあるかを分けます。同じ「合わない」でも、教材が難しいのか、説明が速いのか、質問しにくいのかで、打ち手は変わります。講師との相性だけでなく、教材の難しさや説明の速さには調整の余地が残っていることがあります。
保護者が問題ないと感じている授業でも、お子様が間違えることを怖がっている場合があります。反対に、点数がすぐに上がらなくても、説明は理解できている場合もあります。どの活動が難しいのかを、お子様の言葉で急がずに聞くと、変えたい点が見えやすくなります。
体験授業で確認すること
体験授業の正解数だけで相性は決まりません。お子様が質問できたか、説明を理解できたか、つまずいたときに別の説明があったかも比較の材料です。授業後には本人の感想も聞きます。一度の体験ですべてを判断できないこともありますが、学びやすさを比べる材料になります。
引継ぎで共有する情報
新しい講師には、以前の授業で理解できた内容と、説明が難しかった部分を短く伝えます。現在完了の説明でつまずいた、といった具体例があれば、最初の授業計画を考えやすくなります。
引き継ぐ情報は、以前の理解度や教材など学習に必要な範囲に絞ると、プライバシーへの負担を減らせます。前の講師の発言やお子様の事情を、過度に詳しく共有する必要はありません。個人情報保護委員会のガイドラインは、学習記録などの個人情報を扱う際に確認する公的資料です。共有先、記録の保存方法や削除の手続きも、運営担当に確認できます。
授業後の報告と、変更後の振り返り
授業後の報告では、学習時間だけでなく、理解できた内容、まだ難しい点、次回の予定を確認できると役立ちます。講師の報告とお子様の感想が異なる場合もあります。そのときは、どの点で困っているかを整理すると、授業の進め方を調整しやすくなります。
講師を変えた後も、点数の変化だけでなく、安心して質問できるか、以前分からなかった問題を理解できるかを振り返る方法があります。必要なら、教材や宿題の量を見直します。
新しい講師を探すときの条件と経歴の見方
別の講師を探すなら、教えられる学年、英語の指導内容、授業可能な時間帯、必要な言語での説明などを整理します。条件が多いときは、本人が特に重視することから優先順位をつけると比較しやすくなります。
大学名や英語の流暢さは参考になりますが、それだけでお子様との相性が分かるわけではありません。本人の理解に合わせて説明を変えられるか、年齢に合った教材を使えるか、どの内容を教えてきたかを確認します。
日程・授業形式が合わない場合
講師が合っていても、時間帯が本人の生活に合わない場合があります。学校の宿題や部活動、休息を踏まえると、無理なく取り組める時間を選びやすくなります。家族が同じ時間を希望していても、講師の空き状況が合うとは限りません。
対面なら教材を一緒に見やすい場合があり、オンラインなら移動の負担を減らせる場合があります。ただし、画面越しの説明が苦手な子もいます。形式の良し悪しは一律には決まらず、本人が理解しやすい方法かどうかが判断材料です。必要な機器や通信環境も確認します。
料金と契約条件で確認すること
講師変更の際は、料金、教材費、キャンセル条件、変更手数料の有無も判断材料になります。料金が高いからといって、成果が上がるとは限りません。
家庭教師は、特定商取引法の特定継続的役務提供として指定された役務のひとつです。消費者庁の特定商取引法ガイドでは、契約期間が2か月を超え、契約金額が5万円を超えるものなど、一定の要件を満たす契約について、クーリング・オフや中途解約ができると説明されています。
ただし、あらゆる家庭教師の単発授業や講師変更に、同じ法的扱いが自動的に当てはまるわけではありません。変更手数料、別の講師を選べる範囲、教材費、キャンセルや返金は、利用中のサービスの規約・契約書と、担当窓口の正式な回答が基準になります。
講師と運営担当への伝え方
変更を決める前に講師と相談できるなら、希望する授業の変化を具体的に共有する方法もあります。感情的な批判よりも、必要な支援を伝えるほうが、調整できる範囲を見極めやすくなります。
- 語順の説明を増やす
- 短い英文から始める
- 授業の最後に質問を確認する時間を取る
講師と直接話しにくい場合は、サービスの運営担当が相談窓口になることもあります。お子様の希望、現在の課題、望む授業形式を共有する方法が考えられます。本人が話した個人的な内容まで全て伝える必要はありません。
つまずいている位置を確かめる
学年相当の教材が難しい場合は、中学校の基本文や単語の読み方に戻ることが必要かもしれません。短い例文で主語と動詞の意味を確かめるなど、今理解できる内容から始めます。
- 教材の難しさ:短い英文や基本単語まで戻れるか
- 説明の速さ:例題の途中で理解を確かめる時間を取れるか
- 質問のしやすさ:間違いを責められたり、説明の途中で言葉を遮られたりしないか
- 宿題の量:学校や家庭の予定を踏まえて、取り組める量か
宿題が多すぎると、授業に参加する前から疲れてしまう場合があります。逆に復習の機会がなく、内容を忘れやすい子もいます。ページ数ではなく、どの内容を理解したかを見ます。
講師が必要な説明へ戻れるか、間違いの理由を一緒に探しているかが、理解に合う指導を見極める手がかりになります。
学習目標がずれていないか確かめる
学校英語の補習、英会話、英検の対策では、必要な授業の内容が異なります。当初の目標とお子様の今の希望が一致しているかも、授業を見直す手がかりになります。
会話を増やしたいのに文法問題だけが続く場合や、読解が難しいのに会話しかしていない場合は、授業の構成を相談できます。文部科学省の学習指導要領(平成29年・30年告示)には、中学校外国語科の学習内容と到達目標が示されています。
英国の教育支援団体であるEducation Endowment Foundation(EEF)の個別指導に関する研究では、学習者のつまずきに対応した指導が扱われています。同機関のフィードバック研究も、どの問題や説明を理解できなかったかを具体的に確かめることを重視しています。
ただし、これらのEEFの研究には英国以外で実施された研究も含まれ、主に学校での指導やフィードバックを扱っています。日本で特定の家庭教師に変更すれば必ず成績が上がる、と結論づけることはできません。
授業内で調整できること、変更を考える状況
講師を替える前に、授業の中で調整できることと、変更を考える理由を並べると、判断材料が整理しやすくなります。
| 判断する観点 | 授業内で試せる調整 | 変更も考える状況 |
|---|---|---|
| 質問のしやすさ | 例題の途中で理解を確かめる時間をつくる | 質問を遮られるなど、相談しても改善しない |
| 学習目的 | 学校の補習・会話・英検対策の優先順位を合わせる | 希望する目標に沿った指導が難しい |
| 教材の難しさ | 短い英文や基本単語まで戻る | 必要な基礎を扱うことができない |
| 日程・授業形式 | 時間帯や対面・オンラインの形式を見直す | 利用できる時間や形式が合わない |
点数だけで判断しない
短期間でテストの点数が変わらないからといって、講師に能力がないとは断定できません。以前の単元の理解不足や、学校のテスト形式が合わないことも考えられます。どの問題で手が止まるのかが分かると、学習内容の理解とテスト結果を分けて考えられます。
家庭でできること:今週の5ステップ
どれも1回で終わる小さな作業です。全部を同時にやる必要はありません。
- お子様が質問しにくい場面を、具体的な状況で聞く
- 今の授業の目標(学校の補習・会話・英検対策)と教材の難しさを書き出す
- 講師に、説明の速さや戻ってほしい単元を具体的に伝える
- 体験授業では、正解数より「質問できたか」「別の説明があったか」を見る
- 契約先の規約で、変更手数料・教材費・キャンセル条件を確認する
ここまで試しても、必要な基礎を扱えない、相談しても改善しないといった状態が続くなら、講師変更を検討する材料がそろったことになります。
参考資料
まとめ
英語の家庭教師を変えたいときは、講師への評価を急ぐ前に、授業の目標、教材の難しさ、質問のしやすさを整理します。指導方法の調整と講師変更を比べる際は、契約条件とお子様の希望の両方が判断材料になります。
Petra Tutorsでは、お子様の学習目標や質問のしやすさを確認し、授業で調整できる点と、別の講師候補を考える場合を整理しています。お子様ご本人の気持ちも確認しながら、次の一歩をご相談いただけます。無料体験・ご相談からお問い合わせください。
