← ブログ一覧へ戻る

MYPとIGCSEは何が違う?中学生・高校生の学び方と評価を比較

高い書架が壁一面に並ぶ、大きな閲覧室で勉強する人々

この記事の結論

MYPとIGCSEは、どちらも中学生から高校初期の年代で見かけるため混同されやすいですが、仕組みはかなり違います。MYPは学校全体のlearning framework、IGCSEは主に教科別のqualificationとして使われます。

Petra保護者相談室には、「今の学校はMYPですが、転校先はIGCSEです。同じ年齢ならほぼ同じ内容でしょうか」というご相談が寄せられます。この質問では、年齢だけでなく、評価の仕組みとコースの構成を見る必要があります。

ひと目で比較:MYPとIGCSE

年齢が重なっていても、仕組みの種類が違います。IGCSEは、Cambridge IGCSEとPearson Edexcel International GCSEの公式説明にもとづきます。
項目MYPIGCSE
位置づけIBのprogramme(学校全体の枠組み)主に教科別のqualification
対象年齢11から16歳主に14から16歳
科目の構成8つの教科グループ。最終の2学年は6グループまで選べる学校が複数の科目を選ぶ。科目ごとにsyllabusがある
授業時間の目安各教科グループで年間50時間以上科目のsyllabusと学校の時間割による
評価科目ごとに4つのcriteriaを1から8で評価し、合計から1から7の成績にするコースの最後の外部試験が中心。科目によってコースワークや口頭、実技がある
成績の表し方1から7Cambridgeは主にA*からG(地域によって9から1も可)、Pearsonは9から1
外部の評価最終年にeAssessmentがある。personal projectは必須外部試験(筆記が中心で、科目によって口頭や実技)
学び方の特徴探究、概念、実社会とのつながり科目ごとのsyllabusに沿った学習と試験準備
次の進路DPへ進む学校があるDP、A-level、学校独自の資格へ進む学校がある

以下では、それぞれの仕組みと、最も違いの大きい評価を順に見ていきます。

MYPとは

IBのMYPは11から16歳向けで、言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学、芸術、体育と健康、デザインの8つの教科グループがあります。各グループで年間50時間以上の授業を行うことが目安とされ、4学年と5学年では、6つのグループに絞れます。

最終年の生徒は、約25時間かけるpersonal projectを必ず完成させます。個人で進める探究で、外部の確認(moderation)を受けます。MYPの成績を学校外に示したい場合は、最終年のeAssessmentに参加すると、MYP certificateやコースごとの結果を得られます。eAssessmentの多くは学校が任意で選びますが、personal projectは全員に必要です。

IGCSEとは

Cambridge IGCSEは14から16歳向けに設計された資格で、科目は70以上あります。学校が科目の組み合わせを選び、科目ごとに筆記、口頭、コースワーク、実技を組み合わせて評価します。

Pearson Edexcel International GCSEを採用する学校もあります。Pearsonは9から1の成績で、2年間の学習の後に試験を行う方式と、単元ごとに受けるモジュール方式を案内しています。同じIGCSEでもboardによって試験の構成が違うので、学校にboardを確認してください。詳しい違いは、東京のIGCSE校の記事で整理しています。

一番大きな違いは評価

同じ科目でも、評価の仕組みが違うと、必要な準備が変わります。
観点MYPIGCSE
何を見るか科目ごとの4つのcriteria。いずれも1から8の8段階で、教員が基準の説明文に照らして判断する試験の得点。mark schemeに沿って採点される
成績の決まり方criteriaの合計を、IBが示す境界の目安にもとづいて1から7の成績にする試験の成績をboardがgradeにする
学期中の評価課題やプロジェクトで継続的に見る学期中は学校の評価。最終のgradeは外部試験で決まる科目が多い
必要な練習rubricを読み、基準を満たす表現を書くpast paperとmark schemeで、試験の形式に合わせて答える

MYPからIGCSEへ転校すると、同じ英語や数学でも、評価の方法が変わります。たとえば、MYPで高い成績を取っていたお子さまが、IGCSEの試験で時間配分や記述の型に戸惑うことがあります。反対に、IGCSEからMYPに入ると、基準を読んで自分の作品を見直す習慣が新しい課題になります。

年齢が重なっていても、同じ仕組みではありません。科目の内容だけでなく、評価とコースの構成を見て比べます。

MYPでも、学校によって外部評価の使い方が違う

「MYPは課題中心、IGCSEは試験中心」という整理は、入口としては役に立ちますが、転校の判断には足りません。MYPの評価は、教員が作る課題と、教員による採点が中心です。IBは、教員が選んだ生徒の作品の見本を提出させる確認(moderation)で、採点の水準をそろえてきました。一方で、最終年には、IBが採点する外部評価のMYP eAssessmentがあります。

eAssessmentは、言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学などのオンライン試験(最大2時間)と、芸術、デザイン、体育と健康のePortfolioで構成されます。IBの案内では、どのeAssessmentに生徒を登録するかは、学校が選べるとされています。そのため、同じMYPでも、全員が外部試験を受ける学校と、学校内の評価を中心にする学校があります。personal projectは、電子的にIBへ提出して確認を受けます。

MYP certificateには、決まった条件があります。IBの修了条件のページによると、指定された6つの分野で外部評価を受け、各分野で一定以上の成績を取り、personal projectを完成させ、合計28点以上を得て、学校のコミュニティ活動の期待を満たす必要があります。細かい基準は更新されることがあるため、最新はIBの案内で確認してください。学校がMYP certificateを目指す生徒を想定していない場合、成績は学校内の評価として残ります。

転校するご家庭は、次の5点を学校に聞いてください。①この学校はMYP eAssessmentに参加していますか。②外部評価を受ける科目はどれですか。③お子さまは、MYP certificateを目指す形ですか、学校内の成績だけですか。④personal projectの残りの要件は何ですか。⑤これまでに終えた評価は、どこまで引き継がれますか。

IGCSEも、一つの試験方式ではない

IGCSEにも、試験機関と科目によって大きな違いがあります。Cambridge IGCSEでは、科目ごとに筆記、口頭、コースワーク、実技の組み合わせが決まっています。多くの科目に、CoreとExtendedの2つの水準があります。Cambridgeの説明では、CoreはC〜G、ExtendedはA*〜Eの成績を目標に設計されており、C、D、Eが重なっています。つまりCoreで学ぶと、取れる成績の上限が下がります。どちらで学ぶかは、学校と先生が選びます。

Pearson Edexcel International GCSEは別の機関の資格です。成績は9から1で、英国のGCSEと同じ方式です。従来どおり、2年間学んで最後に試験を受ける方式に加えて、単元ごとに試験を受けるモジュール方式があります。モジュール方式は、2023年9月から英語、経済、歴史などの8科目で始まり、2024年9月から数学や理科にも広がったと案内されていますが、すべての科目にあるわけではありません。英国外のみで選べる方式でもあります。どの方式を使うかは、学校が決めます。

CambridgeとPearsonは、互換性のある同じ資格ではありません。syllabusも、試験の構成も、過去問も違います。学期の途中で転校する場合、同じ科目名でもboardが違えば、準備のやり直しが必要になることがあります。

転校前に確認したい“評価方式”。一般的な傾向で、学校ごとの運用が優先されます。
方式何を、いつ評価するか転校後に起きやすい問題保護者が聞くこと
MYPの学校内評価教員が作る課題を、学年を通して評価課題の基準(rubric)が学校で少し違う。途中までの評価の引き継ぎこれまでの評価はどう扱われるか
MYP eAssessment最終年にオンライン試験とePortfolio学校が登録するか。済んでいる準備の違い外部評価を受ける科目と、certificateを目指す形か
Cambridge IGCSE科目で異なる筆記、口頭、コースワーク、実技。CoreまたはExtendedboardとsyllabusの違い。水準の違い。コースワークの進みsyllabus code、Core/Extended、コースワークの時期
Pearson Edexcel International GCSE9〜1。linearは最後にまとめて、modularは単元ごとに試験linearとmodularの違い。試験の登録の時期学校がどの方式か。済んだ単元の扱い

MYPかIGCSEかだけでは判断できない

MYPかIGCSEかだけでは、転校のしやすさは判断できません。実際には、学校がどの評価方式・試験board・科目構成を採用しているかまで確認する必要があります。確認する書類と質問は、転校時のカリキュラム確認ポイントで整理しています。

年齢が近く、科目名が同じでも、評価方式とboardが違えば、準備の中身は変わります。

学校によって、実際の構成が違う

「MYP」「IGCSE」という言葉だけでは、学校での実際の学び方は決まりません。東京の例を見ても、学校ごとに構成が違います。各校の詳しい構成は、学校別カリキュラム比較と、東京のIB Continuum Schoolの記事で整理しています。

学校構成補足
Tokyo International SchoolMYPをGrades 6〜8、DPをGrades 11〜12と案内公式ページに記載の範囲。Grades 9〜10の構成は学校に確認
Seisen International SchoolMYPを中学の5年間で提供PYP、MYP、DPをそろえた女子校
K. International School TokyoGrades 6〜8は独自のLSP、Grades 9〜10はPearson EdexcelのIGCSEMYPはなく、DPの準備のためにLSPとIGCSEを組み合わせている
The British School in TokyoYears 10〜11でGCSEとIGCSEを組み合わせる科目によってboardが違う

その後の進路

MYPの後はDPに進む学校が多い一方、DPの入学にMYPの修了が必須かどうかは、学校の入学方針によります。IGCSEの後は、DP、A-level、学校独自の資格に進む学校があります。

進路ごとの違いは、IBDP・AP・A-levelの比較で整理しています。

転校で確認したいこと

ペトラチューターズの実務的な見方

MYP生には、rubricを読んで課題を改善する支援が必要なことがあります。IGCSE生には、syllabus、past paper、mark schemeを使った試験準備が重要になります。

同じ科目のtutorでも、必要な支援の方法は変わります。転校前は、新しい学校で最初に使う教材と評価の形式を見て、差を埋める形で準備します。

まとめ

MYPは11から16歳向けのIB programme、IGCSEは主に14から16歳向けの教科別の資格です。年齢が重なっていても、同じ仕組みではありません。

学校を比較するときは、科目の内容だけでなく、評価の方法、exam board、次のprogrammeへの接続を確認してください。

参考資料

学校やカリキュラムに合わせた学習相談

現在の学校、転校先、科目、評価方法、次の進路を確認したうえで、サポートの進め方をご提案します。

無料体験を申し込む 無料体験・ご相談
インターナショナルスクール向けの学習相談を見る

あわせて読みたい記事