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IBDP・AP・A-levelは何が違う?高校後半の進路別カリキュラム比較

校舎の中庭で、卒業生たちが空高く角帽を投げ上げる様子

この記事の結論

高校後半になると、IBDP、AP、A-levelという言葉をよく見かけます。3つとも大学進学前の高度な学習につながりますが、programmeの組み方は大きく異なります。

Petra保護者相談室には、「IBDPは全部取るprogrammeで、APは好きな科目だけ、A-levelは少数科目に絞ると聞きました。実際には何が違いますか」というご相談が寄せられます。大枠ではその理解に近いですが、学校ごとの卒業資格やcourseの規則も一緒に確認する必要があります。

ひと目で比較:IBDP・AP・A-level

3つは同じ種類の資格ではありません。組み方が違います。数字は各機関の公式説明にもとづきます。
項目IBDPAPA-level(Cambridge、Pearson)
形一体型の2年間programme科目別のcourseと試験(College Board)科目別の資格。Cambridge International AS & A Levelなど
対象16から19歳高校の生徒16歳以降
科目の数6科目(上級3〜4科目、残りは標準)学校と生徒が選ぶ。提供数は学校による学校と生徒が選ぶ。少数の科目を深く学ぶ設計
全員共通の必須TOK、Extended Essay(4,000語)、CASなし(AP Capstoneを除く)なし
成績各科目1から7、コアと合わせて45点満点各試験1から5A-levelはA*からE、ASはAからE
評価外部試験と学内評価5月の標準試験外部試験が中心(科目で異なる)
試験の時期最終学年毎年5月年に複数回の試験期間(機関により)
学校の卒業資格との関係IBのdiplomaまたは科目単位学校のdiplomaとは別学校のdiplomaとは別になる場合がある

表は、構造の違いを示すためのものです。順位づけや優劣を決めるものではありません。学校の卒業要件、大学の求める条件、お子さまの得意科目に合わせて見ます。

IBDP

IBDPは、6つの教科グループとコアで構成されます。教科グループは、言語と文学、言語習得、個人と社会、理科、数学、芸術です。コアは、Theory of Knowledge、Extended Essay、Creativity Activity Serviceです。

生徒は上級(HL)を3科目以上4科目以下、残りを標準(SL)で履修します。IBはHLの授業時間を240時間、SLを150時間と推奨しています。各科目は1から7で採点され、コアのEE、TOKに最大3点が加わり、満点は45点です。

DPの修了には、合計24点以上などの条件があります。上級で12点以上、標準で9点以上、成績2が2科目までなど、細かい要件があるので、点数だけでなく条件を確認してください。

広い科目の幅と、研究や振り返りの課題を同時に求められるのが特徴です。時間の管理が重要になります。

AP

APは、College Boardが提供する科目別のadvanced courseと試験です。試験は1から5で採点され、世界共通で5月の最初の2週間に行われます。

IBDPのように全員が同じコアを履修する一体型のprogrammeではありません。学校によって、APを何科目提供しているか、何科目まで履修できるかが異なります。多くの科目では、courseを取らずに試験だけ受けることもできますが、学校が在校生のみに提供する場合もあります。東京の学校のAPの具体例は、東京のAP校の記事で整理しています。

APの得点を大学がどう扱うかは、大学ごとに決まります。College Boardは、単位と配置の方針は大学が決めると説明しています。

A-level

Cambridge International AS & A Levelは、通常、高校の最後の2年間に履修する、科目別の資格です。ASは通常1年間の学習で、A Levelの半分にあたります。学習の進め方は、ASだけ受ける方法、ASを先に受けて次の試験期間でA Levelを完成させる方法、A Levelの全部を同じ試験期間に受ける方法の3つから選べます。

成績はA*からE(ASはAからE)で、科目ごとに別の成績が出ます。Pearson EdexcelのInternational Advanced Levelは、IAS(AS相当)とIA2の単元を組み合わせ、1月、6月、10月に試験期間があると案内されています。

少数の科目を深く学べるのが特徴ですが、学校ごとに開講する科目や、卒業要件が違います。「A-levelなら必ず3科目」などと固定的に考えない方が安全です。A-levelの対策は、下のボタンのページでも案内しています。

評価方法はどれくらい違う?

IBDPの結果は、最終試験だけで決まるわけではありません。各科目は最終学年の外部試験と、学校で時間をかけて取り組み教員の監督のもとで作る学内評価(Internal Assessment、IA)の両方で成り立ちます。そこにTOKのエッセイとExtended Essayが加わり、CASへの参加が確認されて初めて、diplomaの条件が整います。

点数は、6科目がそれぞれ1から7、TOKとEEがA〜Eの評価から合わせて最大3点で、満点は45点です。CASは点数になりませんが、参加の確認がdiplomaの条件です。修了には24点以上のほか、すべての科目とTOK、EEに成績がつくこと、全科目で2以上、成績2は2科目まで、3以下は3科目まで、上級で合計12点以上、標準で合計9点以上といった条件があります(IBの修了条件)。つまり、1科目の出来だけでなく、programme全体の積み上げで判断されます。

APは性格が違います。科目ごとに独立した試験があり、成績は科目ごとに1から5です。IBのように全科目を合算して一つの総合点を出す仕組みはありません。また、AP courseを履修したことと、特定のAP Examで特定のスコアを取ったことは別の話です。履歴書や成績証明書に「AP Chemistry履修」とあっても、試験のスコアは別に確認されます。そのスコアを単位や上級クラスへの配置にどう使うかは、大学が決めます。

A-levelも科目ごとの資格で、科目別に成績が出ます。Cambridgeでは、ASは約1年、A Levelは通常2年の学習です。AS Levelだけで終える、ASを先に受けて後からA Levelを完成させる、A Levelの全試験を同じ試験期間にまとめて受ける、の3通りがあります。ただし、段階的な受験ができない科目もあり、ASの結果を繰り越せる期間や回数にも制限があります。成績はA*からEで、ASにはA*がありません。試験期間は6月と11月です。

評価の仕組みを比べる。各機関の公式説明にもとづく概要で、学校の運用によって細部は変わります。
比較IBDPAPA-Level
資格の単位6科目とコアを一体で修了するprogramme科目ごとの独立した試験科目ごとの独立した資格
科目の数6科目(上級3〜4、残りは標準)とコア学校と生徒が選ぶ学校と生徒が選ぶ
学内評価科目ごとのIAに加え、TOK、EE、CAS多くは試験のみ。Capstoneなどは提出課題あり科目による。コースワークがある科目も
最終試験最終学年の外部試験毎年5月6月または11月の試験期間
主な成績各科目1〜7とコアで最大45点科目ごとに1〜5A*〜E(ASはA〜E)
一部の科目だけ受けられるかdiplomaには6科目とコアが必要。一部だけ履修できるかは学校の方針できる。履修科目は学校の開講によるできる。ASだけで終える道もある
途中転校のリスクHL/SL、IA、EE、TOK、CASの進み具合開講科目、前提科目、学校が試験を実施するか科目、exam board、ASとA Levelの進み具合

日本の大学進学ではどう見る?

文部科学省のページ(2024年6月掲載)は、外国の大学入学資格として、国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCE Aレベル、国際Aレベル、欧州バカロレア資格などを挙げています。IBDPとA-levelは、この種類の資格として整理されています。ただし、IBDPを修了した、A-levelを受けた、というだけで足りるとは限らず、大学ごとに求める科目、成績、点数の条件が重なります。

このページにAPは載っていません。APを、IBDPやA-levelと同じ種類の「単独の大学入学資格」として扱うことはできません。一方で、大学ごとに、出願審査の材料としてAP Examの成績を求めたり、評価したりする場合はあります。単位や配置の扱いも大学ごとです。学校の卒業資格と組み合わせて考えるのが基本です。

日本の大学については、一括りにして断定できません。大学ごとの出願資格・必要科目・スコア条件は必ず募集要項で確認する必要があります。学校の認定と、生徒本人が修了する資格は別の問題です。後者は認定団体の記事でも説明しています。海外の大学については、IBが科目選択の案内を公開していますが、条件は大学ごとに違います。

「どの資格が大学に有利か」を、一般論で決めることはできません。志望する大学と学部が求める科目と成績を、出願の1〜2年前に確認してください。

途中で転校するなら何が一番問題になる?

区分まず問題になる点学校に確認すること
IBDPHLとSLの組み合わせが合うか。IA、EE、TOK、CASをどこまで進めたか転入先で同じ科目と水準を履修できるか。進行中のIAやEEを引き継げるか
A-level同じ科目か。exam boardとsyllabusが同じか。ASとA2、または段階的な受験の進み具合転入先のboardと科目。ASの結果が使えるか。試験の登録時期
AP転入先に同じAP科目があるか。前提科目を満たすか科目の開講と時間割。学校がそのAP Examを実施するか。外部生を受け付けるか

どれが転校しやすいかは、programme名では決まりません。残りの期間と、すでに終えた評価がどれだけあるかで決まります。確認する書類と質問は、転校時のカリキュラム確認ポイントにまとめています。IGCSEから進む場合は、東京のIGCSE校の記事も参考になります。

お子さまのタイプ別に、確認する順番

どれがよいかを決める表ではなく、先に調べる点を整理したものです。
お子さまの状況先に確認すること
幅広い科目を学びたいIBDPの科目の組み合わせと、コア(TOK、EE、CAS)の負担。学校が提供するHLとSLの選択肢
早く専門に絞りたいA-levelの科目の選択肢と、志望学部の前提科目。学校が提供する科目
自分で計画して学ぶのが得意APの科目数と、同時に履修できる上限。自習での受験の扱い
国をまたいで引っ越す可能性が高い転出先の国で、その資格がどう扱われるか。学校間で単位を移せるか
志望する大学の国が決まっているその国の大学の公式な入学要件(科目、成績、点数)。国ごとの扱いの違い
将来の専攻が決まっていない科目の選択が後から変えられるか。途中でprogrammeを変えた場合の扱い

どの行も、最終的な判断は学校の個別の仕組みで決まります。学校に確認する具体的な質問は、転校時のカリキュラム確認ポイントにもまとめています。

ペトラチューターズの実務的な見方

IBDPでは、複数の科目に加えて、IA、EE、TOKを並行する計画が重要です。APでは、科目ごとの専門的な内容を直接扱う力が必要になります。A-levelでは、少数の科目を深く理解し、試験の仕様に沿って精度高く仕上げる力が重要になります。

まとめ

IBDPは一体型の2年間programme、APは科目別のadvanced course、A-levelは少数の科目を深く学ぶ資格として理解すると整理しやすくなります。

進路を選ぶときは、programme名だけでなく、学校の卒業要件と、志望する大学の要件を確認してください。東京の学校での具体例は、学校別カリキュラム比較もあわせてご覧ください。

参考資料

学校やカリキュラムに合わせた学習相談

学校の卒業要件、履修科目、志望大学、現在の課題を確認したうえで、サポートの進め方をご提案します。

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