フォニックス・英会話・学校英語は、それぞれ役割が違う
フォニックスは、文字と音のつながりを整理し、初めて見る単語も読めるようにするための方法です。英会話は、聞く・話す力を実際のやりとりの中で伸ばすものです。学校英語のサポートは、今習っている内容の理解と定着を助けるものです。
どれか一つが他より優れているというより、目的が異なる3つの取り組みだと考えると、選びやすくなります。

まず見たいのは「どこで止まっているか」
読むことは、文字を音にする力(単語を読む)と、言葉の意味や話の流れを理解する力(意味を理解する)の2つに分けて考えられます。英国のReading Frameworkも、この2つの面から読みの指導を整理しています。止まっている場所が違えば、必要な取り組みも変わります。
| お子さまの様子 | まず疑う領域 | 最初の一歩 |
|---|---|---|
| catの文字を見ても、音をつなげて読めない | 文字と音の対応(単語を読む力) | フォニックスで、文字と音の結びつきを整理する |
| catは読めるが、意味が分からない | 語彙・意味の理解 | 絵や実物、短いやりとりと結びつけて、意味を一緒に覚える |
| 英語を聞いて分かるが、文字が読めない | 聞く力はあるが、文字との結びつきが弱い | 知っている単語から、文字と音を結びつけて読む |
| 日常会話はできるが、学校のプリントで止まる | 学校特有の語彙・問題の形式 | 学校英語のサポートで、プリントに出る表現と指示文を確認する |
| 読めるが、内容の質問に答えられない | 読解(語彙・文の理解・話の流れ) | 短い文章で「誰が何をしたか」を日本語や英語で言う |
| 分かるが、書けない | 書く力(語順・綴り・使える語の数) | 話せる内容を、1文だけ書く練習から始める |
この表は家庭でできる目安であり、学習障害などの診断ではありません。読むことに強い困難が続く場合は、学校や専門機関に相談してください。
お子さまの今のタイプ別に考える
現在の状態に近いものを確認し、始め方の参考にしてください。
| お子さまの状態 | 考えられる始め方 |
|---|---|
| 英語がほぼ初めて | 身近な単語や簡単な表現から、音・意味・使い方を一緒に触れていく |
| 会話は少しできるが、文字が読めない | フォニックスで文字と音のつながりを整理する |
| 簡単な単語は読めるが、話せない | 短い受け答えや音読から、声に出す練習を増やす |
| 単語は知っているが、学校の課題が分からない | 学校英語のサポートで、教科書・宿題の内容を確認する |
| 英会話には通っているが、フォニックスが弱い | 会話と並行して、読む力を補うフォニックスを取り入れる |
| 話すのは得意だが、書くのが苦手 | 話せる内容を、短い文として書く練習に少しずつつなげる |
| 将来的に英検を考えている | 学校英語や語彙の基礎を優先しつつ、必要に応じて試験対策を検討する |
遠回りに見えても効果があるケース
会話が得意なお子さまにフォニックスを取り入れると、一時的に会話の時間が減るため、遠回りに感じられることがあります。しかし、読む力が育つことで、後々の単語学習や学校英語の負担が軽くなる場合があります。
同様に、話すことが得意なお子さまがWritingの練習を始めると、最初は苦手さが目立つことがありますが、話せる内容を書く形に変換する練習は、学校英語にもつながる力になります。
決められないときの考え方
どれから始めるべきか判断が難しい場合は、今何に一番困っているかを具体的に確認することが手がかりになります。学校の授業についていけないのか、会話に自信がないのか、読むこと自体に苦手意識があるのか。
一つに絞り切れない場合は、体験レッスンなどで実際に取り組んでみて、お子さまの反応を見ながら調整する方法もあります。
3つの取り組みが伸ばすもの、伸ばさないもの
| 取り組み | 主に伸ばすもの | 役立つとき | それだけでは解決しにくいこと |
|---|---|---|---|
| フォニックス | 文字と音を結びつけ、単語を読む力 | 単語を読むこと自体につまずくとき | 文章の内容を理解する読解力 |
| 会話・口頭練習 | 聞く力と話す力 | 実際に話す機会や、やりとりが必要なとき | 文字を読む・書く力 |
| 学校英語のサポート | 今の授業や課題の理解と成績 | 学校の成績や課題への対応が、目の前の課題のとき | 土台にある英語力のすべてのズレ |
表の「それだけでは解決しにくいこと」は、その取り組みが無意味という意味ではありません。目的が違うため、組み合わせて考える手がかりになります。
根拠をどう読むか
英国のEducation Endowment Foundation(EEF)は、Teaching and Learning Toolkitのフォニックスの項目で、フォニックスは年少の子どもが読むことの基礎を身につけるうえで、一貫して効果的だとしています。また口頭言語の介入の項目では、対話を通じて学ぶことが重要な要素だと説明しています。
ただし、これらは主に、英語を母語とする子どもの読み書きの学習を対象にした研究です。日本で外国語として英語を学ぶお子さまに、そのまま当てはまるとは限りません。ここでは、「音と文字の対応」と「実際のやりとり」がそれぞれ別の力を支える、という考え方を確認するための材料として使っています。
米国教育省のPractice Guide(幼稚園から小3の読みの基礎)は、4つの推奨を示しています。音と文字の結びつきへの気づき、単語の読み方(デコーディング)、毎日つながった文章を読むこと、そして語彙を含む学習言語の指導です。強い根拠があるとされているのは前の2つで、学習言語の指導は根拠が限られると評価されています。つまり、フォニックスだけでも、会話だけでも、読みの力は完成しないことが示唆されます。
日本の学校では、文部科学省の学習指導要領(平成29年告示)で、小学校3・4年は外国語活動として、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しむことが目標とされています。学校での英語の扱いは学年や学校によって違うため、お子さまの学校が何を求めているかも、あわせて確認してください。
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小学生の指導に対応している講師は、Hannah先生、Dayun先生、Maya先生のプロフィールで確認できます。サービスは初心者向けの英語レッスンと小学生の英会話、学校の課題に関するものは学校英語のサポートをご覧ください。
Petra Tutorsの考え方
Petra Tutors(ペトラチューターズ)では、フォニックス・英会話・学校英語のいずれかを最初から固定せず、お子さまの英語経験、学校での学習内容、得意・不得意を確認したうえで、組み合わせをご提案します。
様子を見ながら比重を調整することもあり、最初に決めた内容に固定する必要はありません。
参考資料
- Education Endowment Foundation | Teaching and Learning Toolkit: Phonics
- Education Endowment Foundation | Teaching and Learning Toolkit: Oral language interventions
- U.S. Department of Education, IES | Foundational Skills to Support Reading for Understanding in Kindergarten Through 3rd Grade
- UK Department for Education | The reading framework: teaching the foundations of literacy
- 文部科学省 | 小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編

