ゼロからわかるSATの基本構造
- 満点(各セクション800点)
- 1600点
- 全体の問題数
- 98問
- 全体の試験時間
- 2時間14分
出典:College Board(Digital SATの公式情報)。時間は休憩を除く、各セクションの合計です。
SATは、アメリカの非営利団体であるCollege Board(カレッジボード)が主催している共通テストです。日本の大学入学共通テストに近い位置づけの標準テストですが、出題範囲や大学での使われ方は異なります。
試験は大きく2つの科目に分かれています。Reading and Writing(読解と文法)が800点、Math(数学)が800点の、合計1600点満点です。現在、すべてのテストはパソコンやタブレットを使用するDigital SAT(デジタル形式のSAT)に移行しており、試験時間は約2時間強と、以前よりもコンパクトになりました。
最大の特徴は、各セクションが2つのモジュールに分かれ、最初のモジュールの出来に応じて、2つ目のモジュールの難しさが変わる点です。College Boardはこれをモジュール単位の適応型と説明しており、短い時間でも学力を測りやすくなっています。構成はCollege Boardの公式ページで確認できます。
セクション別の詳しいテスト内容
具体的にどのような問題が出るのか、2つのセクションを並べて見てみましょう。
| Reading and Writing(読解と文法) | Math(数学) |
|---|---|
短い文章を読み、それに続く設問に答えます。文学作品、歴史的文書、科学、社会学など、あらゆる分野から出題されます。 問われるのは英単語の知識だけではありません。筆者が一番言いたいことは何か、データからどんな結論が導き出せるか、文章と文章がどう結びついているかといった論理力です。空白に当てはまる最も適切な単語を選ぶ問題も、文脈を正しく理解していないと解けないように作られています。 | 代数、高度な数学、問題解決とデータ分析、幾何学と三角法などから出題されます。 テスト全体を通してcalculator(計算機)の使用が認められているのが日本との大きな違いです。計算の手間よりも、問題文を正確に読み解き、どの公式や解法を使うべきかを導き出す思考のプロセスが重視されています。 |
アメリカ以外でも使われるが、使い方は大学ごとに違う
SATについて誤解されがちなのが、アメリカの大学に進学する人のためだけのテストというイメージです。実際には、アメリカ以外の大学や日本の一部のプログラムでも、SATのスコアを出願書類として受け付ける例があります。
ただし、SATを必須とする、複数の選択肢の一つとして認める、そもそも求めない、というように、大学や学部、入試方式ごとに扱いは異なります。SATを受ければどこでも使えるわけではないため、志望校が決まってきたら、募集要項で個別に確認する必要があります。
| 進学先 | SATの使われ方 | 確認すること |
|---|---|---|
| 日本の大学 | 英語で学位を取るプログラムなどで、SATを出願書類として受け付ける例がある。たとえば、上智大学の国際教養学部入学試験の案内では、SAT、ACT、IB Diploma、GCE A-Levelのうち一つを出願書類に求め、SATは2年以内に受験したものとされている(2026年10月7日確認) | 志望する大学・学部・入試方式ごとの最新の募集要項。早稲田大学や慶應義塾大学も、プログラムごとに扱いが異なる |
| イギリス・オーストラリア・カナダ・ヨーロッパ | 各国は独自の教育システムを持ち、留学生が学力を示す資料としてSATのスコアを受け入れる大学はあるが、要件は国や大学によって異なる | 大学・学科ごとの出願要件と、SATが必要か任意かを確認する |
海外進学と、国内大学の英語プログラムを併願する場合、SATが複数の出願先で使える可能性があります。使えるかどうかは、出願先の条件によって決まります。

SATを受ける最大のメリット
SATを出願書類に含める大学があるのは、高校ごとに評価の基準が違う中で、同じ試験で学力を見たいという事情があるからです。高校の成績(GPA)は、学校によって基準が異なります。大学側から見ると、成績表だけでは学力を比べにくい場合があり、共通のテストが補助的な材料になります。
受験生の側から見ると、SATのスコアは、学校の成績とは別の角度から学力を示す材料になります。ただし、成績の不足をSATで補えるかどうかは、大学とプログラムが何を重視するかによります。成績の代わりになると考えるのではなく、出願書類の一つとして位置づけるのが現実的です。
SAT対策の次に読む記事と講師
得点が伸びないときはSAT模試を解いても点数が伸びない5つの理由と復習法、試験の1週間前はSAT直前1週間の勉強法、前日はSAT前日にやること5つをご覧ください。
SATの対策に対応できる講師は、Tina先生、Toru先生、Julie先生のプロフィールで確認できます。サポートの概要はSATのページにまとめています。
Petra Tutorsがよく見る誤解と対策
多く見かける誤解が、SATを高度な英語のテストだと勘違いし、単語帳の暗記ばかりに時間を割いてしまうケースです。
確かに語彙力は必要ですが、SATはあくまで現地のネイティブ高校生が受ける論理力テストです。問題文を上から下まで日本語に翻訳できたとしても、筆者の主張の構造を掴む訓練をしていなければ正解の選択肢は選べません。
私たちが指導する際は、文章を和訳させることはほぼありません。この段落の役割は何か、この接続詞があるから次はどういう展開になるかなど、文章を論理のブロックとして捉える訓練を徹底します。この読み方が身につくと、SATだけでなく、将来大学で大量の論文を読む際にも役立ちます。
まとめ:SATは、選択肢を広げる材料の一つ
SATはアメリカ専用の試験ではなく、海外の大学や日本の一部のプログラムで、出願書類として扱われることがあります。一方で、使い方は大学とプログラムごとに異なるため、志望校の条件を確認しながら準備することが大切です。
試験の構造はシンプルですが、求められる思考のレベルは高いため、正しい方向性での対策が不可欠です。
参考資料
最終確認日: 2026年10月7日


