点数が低いこと自体は、診断ではない
同じ50点でも、単語が原因の50点と、時間配分が原因の50点は、次にやるべきことが全く違います。点数という一つの数字は、原因を教えてくれません。
そのため、点数を見て「もっと問題集をやらせよう」と決めるのは、原因を確認する前の対処になりやすく、遠回りになることがあります。
正答数と英検CSEスコアは同じではない
過去問の「正解数」は、そのまま合否の目安にはなりません。英検の合否は英検CSEスコアで判定され、技能ごとの正答数をもとに算出されます。各級の合格基準スコアは固定されていますが、英検協会の説明にあるとおり、同じ正答数でも回次によってスコアは異なります。
また、合格には技能のバランスが重要とされています。そのため、「合計で何問正解したか」だけでなく、読む・聞く・書く(・話す)のどの技能で崩れているかを見ることが大切です。過去問の正答数は、目安としては使えても、「あと何問で合格」とは言えません。
失点の原因を分解する

過去問を採点したら、正解・不正解だけでなく、それぞれの設問がどの技能に関係していたかを分けて見てみましょう。
| 技能 | 見るべきポイント |
|---|---|
| 単語 | 単語自体を知らなかったか、知っている単語で文の意味を取れなかったか |
| 文法 | 文の構造を取り違えていないか(時制・受け身・比較など) |
| 読解 | 1文ずつは読めても、話の流れ全体を追えているか |
| リスニング | 音は聞き取れているか、意味に変換できているか |
| ライティング | 意見・理由が思いつかないのか、英語にする段階で止まるのか |
| 時間配分 | 時間が足りなかったのか、時間があっても分からなかったのか |
| 設問の理解 | 何を聞かれているかを読み違えていないか |
| ケアレスミス | 分かっていたのに見直せば正解できた問題かどうか |
見直しの五段階
1回分の過去問だけで判断すると、たまたまの結果に振られることがあります。分解の表を使い、できれば2〜3回分を次の順序で見直すと、点数が「次にやること」に変わります。
- 点数だけを記録して終わらせず、誤答と、迷って正解した問題の両方に印を付ける。
- 印を付けた問題を一つずつ、原因(単語、文法、読解、聞き取り、ライティング、時間、設問の読み違い、ケアレスミス)に分類する。
- 2〜3回分をまとめて、同じ原因が何回出ているかを数える。
- 多い原因と、点数への影響が大きい原因から、1〜2個だけを選ぶ。
- 選んだ原因に絞った練習を1〜2週間行い、新しい過去問や問題で同じ分類をして、減ったかを確かめる。
迷って正解した問題も記録するのは、まぐれ当たりが弱点を隠すことがあるためです。解き直すときは、答えを覚えるのではなく、なぜその選択肢になるかを自分の言葉で説明できるかを確認してください。計画し、実行し、振り返る流れで自分の学習を見直す方法は、EEFの整理でも、学習全般で効果が見込まれる取り組みとされています。
症状から原因を絞る早見表
分類に迷うときは、次の表で「確認する証拠」を実際に見てみてください。解き直しのときに、お子さまに「どこで分からなくなった?」と聞くだけでも手がかりになります。
| 症状 | 考えられる原因 | 確認する証拠 | 次の練習 |
|---|---|---|---|
| 語彙問題で間違える | 単語の意味を知らない/知っていても文の中で使い方が合わない | 解説を見る前に、その単語の意味を言えるか | 知らなければ例文ごと覚え直す。知っていたなら前後の文ごと読む |
| 長文は読めるのに内容一致で外す | 選択肢の言い換えに気づけない、またはthisなどが指すものを取り違えている | 正解の根拠の一文に線を引けるか。代名詞が何を指すか言えるか | 根拠の文と選択肢を並べ、言い換えを書き出す |
| リスニングで音が聞き取れない | 音の認識(連結・弱い音)の問題 | スクリプトを見ながら聞くと分かるか | 短い音声を聞いてから、スクリプトで確認する書き取り |
| 音は分かるが答えを選べない | 意味の処理、または先読み不足 | スクリプトを読めば内容は日本語で言えるか | 選択肢を先に読み、聞く内容を予想してから聞く |
| ライティングが白紙/短い | 内容、構成、時間のどれか | 日本語で意見と理由を言えるか。書く前の計画に何分使ったか | 日本語で組み立て → 型に沿って書く → 1点だけ直して書き直す |
| 最後の大問が手つかず | 時間配分、または前半に時間をかけすぎ | 時間が足りなかったのか、時間があっても分からなかったのか | 前者は大問ごとの目標時間を決める。後者はその技能自体を対策する |
| 解き直すと正解できる | ケアレスミス | 見直しの時間があれば直せたか | 解答後の確認項目(活用形、否定語など)を決めておく |
そのまま写せる誤答ノート
ノートに次の形の表を作り、1問ずつ記録します。以下は説明のために作った架空の記入例で、実在の生徒の記録ではありません。英検の実際の問題文は載せていません。
| 設問・大問 | 何が起きたか | 原因の種類 | 繰り返し? | 次の練習 | 再確認 |
|---|---|---|---|---|---|
| 大問1・語彙 3問 | 選択肢の単語の意味を知らなかった | 単語 | 3回分で毎回 | 間違えた語を例文で覚え直し、3日後に意味を言う | 次の過去問の大問1 |
| 長文 内容一致 2問 | 本文は読めたが、選択肢の言い換えに気づけなかった | 読解 | 2回分で出た | 正解の根拠の一文に線を引き、言い換えを書く | 別の長文2題 |
| リスニング 第2部 | 数字を聞き逃した | 聞き取り | 1回のみ | メモの取り方を決めて、数字だけの練習 | 次回の同じ大問 |
| ライティング | 理由が一つしか書けず、時間切れ | ライティング・時間 | 毎回 | 理由を二つ言える練習と、計画時間を固定 | 週1回、時間を計って書く |
| 大問2 文法 | 見直せば分かる活用ミス | ケアレスミス | 1回のみ | 解いた後、活用の形を確認する習慣 | 見直しで直せたか |
「繰り返し?」の列は、2〜3回分を並べたときに初めて埋められます。この列が埋まると、次の優先順位が決めやすくなります。
何を先に直すかの考え方
原因の優先順位は、数式ではなく、次の三つの目安で考えると現実的です。一つ目は、何回出ているかです。単語の誤りが10個あるなら、1個だけのケアレスミスより先に取り組む価値が高くなります。単語は、リーディングやライティング、リスニングにも関わるため、直すと他の技能にも効きやすいからです。
二つ目は、その原因が他の失点につながっているかです。ライティングで理由が書けない、あるいは一つの大問が全く手つかずになるといった大きな詰まりは、ランダムに起きる数個の誤りより、点数への影響が大きいことがあります。三つ目は、直しやすさです。ケアレスミスは1個でも、見直しの習慣が付くだけで直る場合があり、手間が小さければ並行して直して構いません。
反対に、毎回違う原因で間違えている場合は、特定の弱点というより、基礎が全体的に不安定な可能性があります。この場合は、過去問を繰り返すより、その級の語彙と文法の土台に戻る方が近道になることがあります。
公式の過去問と、見直しに使える資料
日本英語検定協会は、各級のページで過去問を公開しています。級ごとのページは、3級、準2級、準2級プラス、2級から開けます。全体の一覧は過去問・試験内容のページにあります。英検協会は2024年度第1回以降の過去問をリニューアル対応済みと案内しているため、その回以降の問題を使うと形式がずれません。
ライティングが失点の中心であれば、英検ライティングで止まる原因と対策を、単語の誤りが多ければ英検対策は単語暗記だけで伸びないことがある理由を続けて読んでください。試験の直前であれば、一次試験の1週間前の過ごし方が参考になります。小学生が準2級に挑戦する場合は、小学生の準2級挑戦も確認してください。
英検対策に対応できる講師は、Hannah先生、Haruka先生、Nikko先生のプロフィールで確認できます。サポート全体は英検対策のページにまとめています。
Petra Tutorsが行っている分析的な見方
Petra Tutors(ペトラチューターズ)では、過去問の点数だけでなく、失点がどの技能に集中しているか、同じ間違いが繰り返されていないかを確認したうえで、優先順位をつけて学習を進めます。
こうした分析をご家庭だけで行うのは、時間もかかり難しい場合があります。無料体験レッスンでは、お手元の過去問や答案をもとに、原因の分け方を一緒に確認できます。



